葉に現われた症状
 
炭疽病 比較的よく現われる病気で、重大な事態にはなりません。
カビの仲間による障害だと言うことなので殺菌剤の散布を行いますが、それほど状態は改善されません。
葉に発生するだけではなく、根にも同様の病斑が現われたり、褐色に変色した水浸状態が発生します。比較的古い葉に発生する事が多いので、葉より先に根に障害が発生していると考えられます。
殺菌剤による土壌消毒や植替えによって改善する事が多い様です。
黒点病 葉身に不特定な小黒点が多数表れます。比較的伝染力の強い病気ですが、一株が枯れてしまうような重大な事態にはなりません。この病気は根には現われない様です。
病葉を切り、殺菌剤で消毒を繰り返しているうちに終息します。
葉枯れ病 これもよく見かける病気で、植替え時に株をベンレート等で消毒すれば徐々に収まります。大半はそれほど大問題ではありませんが、病原性フザリウム菌によるものと考えられられる場合もありますので、注意が必要です。病原性フザリウム菌による場合はタチガレンが有効です。
軟腐病 主に新芽の成長期に、内側の葉の付根付近が茶変しその後外側まで変色部分が拡大、比較的短期間で新芽が腐敗してしまいます。
注射器などで新芽の中心部分にSマイシンなどの抗生薬を注入すると止まる場合があります。
立枯れ 病原性フザリウム菌によるものと考えられられます。羅病すると大抵の場合は一株全体が枯れてしまいます。発見後早急に羅病バルブと次のバルブを切除するとそれ以外の部分は助かる事が有ります。予防にはチガレエース・ダコレート水和剤、ベンレート水和剤など。
黒腐病 同じく病原性フザリウム菌によるものと考えられます。「立枯れ」が新芽に多い事に対して「黒腐病」は完成した親木が羅病した場合に多い様です。バルブの底部や葉の下部に不定形の黒変部分が現われ、症状が進むと芽当たり部分が変色し新芽が出なくなります。液肥などが株元に溜まる事が原因と考えられてきましたが、フザリウムは土壌菌なので根やバルブが根と接続する部分から侵入する様です。特に有機液肥で顕著に発生しますが、大半の棚で普通に見掛けられます。
一度発生すると根治するのは難しく、次々と新芽に移り長年苦しめられます。
羅病バルブをカッターナイフなどで切断すると、相当深い部分まで侵食され黒変している事が分かります。現在のところ特効薬は有りませんので、予防のために薬剤を鉢に潅注してください。
立枯病
 (新種?)
立枯れ病に類似した症状で、病状が急速に進展し一週間程度で一鉢が全滅するものが有ります。
原因菌、有効薬、対処方法は不明です。
先枯れ  これは病気では無く、環境が厳しい場合や根に問題があり、水分が充分に行き渡らない場合などに発生する生理障害です。成長期に水を切らさない、乾燥した強い風が当たらないようにする、腐敗した根を切取り消毒するなどの処置により改善されます。
葉焼け 葉焼けには冬季に(春先に発症)発生するものと、夏季に発生するものが有りますが、写真のものは冬季に葉に霜が降りたところに日光が当たるなどによって発生した事例です。夏季に発生する葉焼けは、光線による場合は葉が黄変し、蒸れによる場合は葉の一部が色が抜けて白く変色したりします。予防としては、春先まだ蘭が活動していない時期の直射光線を避ける事と、夏季の場合は気温の高い時期の遮光をする事です。気温が下がれば黒色寒冷紗越し程度の光線では葉焼けしません。
灰色カビ病 冬季に羅病して春先にいきなり根本から葉が黄変し、一株の大部分が葉を落としてしまいます。
株元に灰色の菌糸が見られる事も有りますが、発見できる事は稀です。葉が黄変して気が付いた時には既に手遅れです。冬季の過湿を避け風通しよくすれば発生しません。また、秋に表土を入れ替えるのも予防になります。
ウイルス病 新芽が成長する時に、新しく出た葉の葉身部分に僅かに退緑色斑が出たり、茶褐色の小斑点がでたりしますが、成長すると判らなくなる場合も多いので観察を怠らないことが必要です。
現在は治療方法が無く、潅水後の鉢底から流れ出た水から他の株にも移りますので、処分するしかありません。大半は株分け時の刃物から感染すると言われていますので、枯れ葉を切る時や株分け時に刃物を使わない方が良いと思います。
但し、黒点病やスリップスの食害跡、生理障害によっても同様の症状が出る事が有りますので、隔離栽培して次年度の新芽を観察してから処分するかどうかを決める方が良いと思います。